Team Japan for Aviation Development (TJAD)
航空機開発のための”チームジャパン”
シアトルにて江幡(現Windspeed tech, Vice President) 及び 佐藤、芦沢( 元FAAコンサルタントDER)は現役引退後も、日本地方自治体、中小企業を中心にして、さらには日本の航空ベンチャー企業(UAV, VTOL, Air-Taxi)を含めてボランティア活動として日本の航空業界をサポートしてきました。
2023年初め、日本からのコンサルタントの依頼が増えてきている中で、芦沢と森本(スカイリンクテクノロジー SLT)の間で行われていた毎週のZOOM会議の内容は、FAAの型式証明の取り方、海外のサプライヤーへの対応の仕方、その他の将来の日本の航空業界にとって非常に役に立つものでありました。特にMRJプログラムの中止と重なり、芦沢と森本さんは日本航空機産業のため、このセッションをオープンセミナーとして日本の航空関連企業及び個人へ公開することを決めました。大企業では、セキュリティー上の問題で制限なしのオープンZOOM会議は難しいご時世ですが、森本の多大な協力により現在の自由討論セミナーが実現しています。
2023年秋、単独で大学等への講義を通して学生を中心に日本航空業界への貢献活動をしていた杉山 (現ボ社ODA Engineering Unit Member)を加え、TJAD-シアトルが発足しました。
TJAD - シアトルの思い
MRJプログラムの終了後、ショックで夢と希望を失った様な日本航空機産業は、このままでは衰退しがちです。次のMRJの様な民間機の開発は数十年後になるでしょう。その間に何もしなければ折角培われた経験も薄れていくでしょう。そうならない為に必要なのは、日本の自動車産業のように、航空機産業に携わる全ての大中小会社の活性化です。
TJAD Seattle の目標は「海外での航空機開発の型式証明の経験、知見を日本の航空業界へ還元し、日本国内から世界に向けて、航空関連ビジネスチャンスを創造する。」です。そこで TJAD Seattle が推薦しているのは全ての大中小会社が何らかの形ちで関与できる、6兆円以上の マーケット と言われる、STC, TSO, PMA, MRO の証明書の取得です。
しかし、TJAD Seattle がどんなに努力し、情熱を注いでも、肝心の日本の航空機業界が無関心、認識の欠如、無気力では前進は望めません。そこで提案は日本でもTJAD Japan を始めることでした。
2025年10月31日 特定非営利活動法人(NPO) 設立登記
シアトルから航空産業発展のためのボランティアベースのオープンセミナーを開始以来、同様な熱い思いを共有する日本在住の航空機関連スペシャリストが多く集まり、“モノづくり”が最強な日本が、世界の航空機産業に向けて競争力のあるビジネスを展開するのに必要となる型式証明取得に関する技術等を中心に、実践経験に基づいた知見や意見交換するというセミナーを現在も継続しています。
将来の我が国の航空機産業が世界の中で競争力のあるビジネスチャンスを創出できるようになるためには国のレベルでの永続的な人材確保と育成、さらには知見や情報の継承が必須です。一部これらの活動は始められていますが、今のところ大半は航空機開発機会が限定的な国内企業ごとの OJT に依存しており、せっかくの貴重な実践経験や知見、潜在的なモノづくりのノウハウが各企業内部の“個々の経験”として埋もれ、後世に引き継ぐべき共有知見としてほとんど残らないのが実状と思われます。
このような共通の課題認識のもと、産官学が垣根を越えて協力し、日本の航空機産業のビジョンを共有することが重要であると考えた有志が集まり、日本国内に存在する情報、技術、専門家を統合して航空機産業の底上げを推進する任意団体「Team Japan for Aviation Development(TJAD)」が日本で誕生しました。趣旨に賛同してさらに多くのメンバーが集まった TJAD は、日本の航空産業の将来を憂い、自らの知見で貢献したいという、国内外の航空関連スペシャリストで構成され、豊富な技術力・知見・人脈を活かして現実的な計画・活動を行っていくことができます。
2024 年 4 月、経済産業省は「航空機産業戦略」として今後の我が国航空機産業の方向性を示す重要な文書を発表しました。この中で次の大規模な民間機開発は十年ほど後とされており、このままではこれまでの開発で培われてきた知見や経験を持つ国内の人材が散逸してしまうことが危惧されます。加えて製造業の中で航空機事業の優先度がコロナ禍以前に比べて低下傾向にあり、重要産業として協調連携した具体的なプロジェクトを通しての成長ステップが見えにくい状況と思われます。
2024 年 12 月~; オープンセミナーを継続する中で、新たに示された航空機産業戦略や航空機産業を目指す中小企業等の支援に対し、TJAD はどのような貢献ができるかというテーマに議論が広がりました。その過程で、広範囲の受益者に対して貢献するには TJAD の信用・認知度を高める必要があり、任意団体から NPO 法人への移行が不可欠との結論に至りました。
TJAD は、我が国の航空機産業が世界に向けて継続的に発展可能な体制となるように、航空機・航空輸送・関連先端技術を含む航空システム分野において、常に国のレベルの視点で英知を結集して産官学連携、機体・システムの開発、型式証明取得、プロジェクト・ビジネスインテグレーション、補用品開発・供給の能力向上、中小企業支援、人材育成が進展していくように活動かつ提案し、我が国の経済と国民生活の向上に寄与することを目的としています。この目的を達成するために、TJAD は任意団体から NPO 法人に移行することを決心しました。